総合病院の選定療養費について感じたことを書きます。
今日の日本では、「普段の受診は地域のクリニックをまず受診し、クリニックで対応できない状況であれば大きい病院(総合病院)を紹介受診する。そして大きい病院で検査、治療を受け状態が落ち着いたら再度地域のクリニックに戻る」という「病診連携」という概念があります。
地域のクリニックは初期診療を、大病院は高度、専門医療を行うように役割分担がされているのです。
しかし中には、大きい病院を最初から受診した方が安心だとか、家から近いからという理由で、クリニックを受診せずにいきなり大きな病院を受診される方がいます。これは病院側からしたら、困ったことであり、そうした方が増えると、大病院の仕事量が増え、本来の役割が果たせなくなります。
よってこれを抑制するために、クリニックなどの紹介状を持たずにいきなり大病院を受診する場合は、医療費とは別で一定額の負担(これを選定療養費といいます)をお願いするようになりました。現在では7700円に設定されている病院が殆どです。
私の勤務する病院でも、紹介状なしで受診される方が一定数おられますが、半数程度は選定療養費の話をすると、受診をキャンセルされますので一定の抑止力にはなっていそうです。
しかし、お金に余裕があるからなのか、比較的高齢の方中心に、払ってもいいから診てください、とそのまま受診されます。病診連携上、良くはないのですが、追加でお金は払ってらっしゃるのでそういう意味では納得できます。
ところで、この選定療養費がかからない方がいらっしゃいます。
救急搬送された急ぎの治療が必要な方、特定の障害・疾病等による各種公費負担医療制度の受給者、災害の被災者、生活保護者などです。
当然、除外基準は必要で、おおむね納得出来る基準ですが、私が日々診療して違和感を覚えるのは、一部生活保護者の方です。
医療費負担がないこともあり、ちょっとした症状でもすぐに大病院を受診し、必要以上に薬を要求などされる方がいらっしゃいます。最低限の生活を保障するのが生活保護の制度かと思いますが、これは一体どうなんでしょうか。なんか普通に生活されている方々より優遇されているように感じてモヤモヤが残ることがあります。
国の制度なのであれこれ言っても仕方ないのですが、個人的には選定療養費の更なる値上げ、生活保護者も制度上、まずはクリニック受診を促し、紹介状無しでの大病院受診時は他の方と平等に選定療養費徴収ではだめなのでしょうか。
ご意見などあればぜひお願いします。
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