読者の方にも、開業医の先生から総合病院への受診を勧めら通院中の方もいると思います。
予約時間にいったものの、なかなか呼ばれない、とりあえず検査をオーダーされたが、検査までに時間がかかる、検査が終わっても検査結果説明まですごい時間がかかる、など経験された方もいると思います。
私も色々な総合病院で勤務してきましたが、待ち時間でクレームを頂くこともあります。
なぜ待ち時間は長いのでしょうか。あくまで原因の一端でしかないですが、中にはこういう事情もあるんだ、ということを知って頂ければと思います。
- そもそも予約患者数が多い
診療科にもよりますが、忙しい先生だと、一時間に数十人、予約が入っていることもあります。この場合、一人の患者さんにさける時間は少ないですが、もし一人の患者さんとの話が長くなったり、新しい訴えがあり対応したりすると、すぐに時間オーバーしてしまい、これが重なることでどんどん後ろにすれこんでいきます。
- 予約外で飛び込みの患者さんが来る
総合病院になると、開業医の先生から、あるいは救急車などで治療を急ぐ患者さん(急患と呼ぶことが多い)が当日急に受診されます。予定患者さんは比較的状態が落ち着いた方も多いと思うので、そうなると優先順位として急患を先に診療することになります。
医師の人数が多い診療科、病院では外来、急患対応が分かれていることもありますが、掛け持ちしないといけない病院もあり、急患が来ると外来が遅れることがあります。
- 入院患者さんの状態が悪い
総合病院では入院している患者さんもいます。総合病院の医師は外来だけでなく入院患者さんの主治医もしていることが多いです。入院患者さんの体調が急に悪くなることもあり、そうなると外来を中断して診察にいくことになります。これも医師の人数が多い診療科、病院では外来、入院対応を分けることもで出来ますが、掛け持ちしないといけない病院が多いと思います。
- 検査は予想以上に結果が出るのに時間がかかる
例えば血液検査を受けることになったとしましょう。白血球(炎症の程度を確認)や赤血球(貧血がないか確認)など「血算」といわれる項目は15分程度で分かりますが、肝臓や腎臓の機能、高脂血症などないか調べる「生化学」と呼ばれる項目は1時間、あるいはもっとかかります。
画像検査も例えばCTやMRIなどを撮りおわった後、すぐに診断出来るわけではありません。撮影した画像を色々な条件(濃度やスライス幅)で再構成したりしながら画像を完成させるのです。しかもその画像は主治医の先生だけではなく「放射線科」と呼ばれる画像を診断するプロフェッショナルな先生も確認し、診断してくれる施設も多いです(読影といわれる)。
画像の構成、診断とありますので時間がかかります。病院によっては放射線科の読影は当日出来ないことも多いです。
などなど様々な事情で予定時間で診察出来ないことが多々あります。
こういうこともあるんだということで、総合病院受診時は少し時間がかかることを想定して余裕をもって受診するといいかもしれませんね。
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